会話するタイミングを逃したまま
スタッフの女性がパーティーの注意点などを説明しました。 若くてきれいな子でした。 むしろこの子とカップルになりたいと思うような。 途中退場は絶対やめて下さいと強調するのが妙に心に残った。 お金を払って来ているのだから、 途中で帰ってしまう人なんていないと思うんだけど。 そんなことをボーっと考えていたら、 いきなりパーティーが始まった。 本当にいきなりといった感じで。 えっ、もう始まるの？...
View Articleうまく言葉が出てこない
トークタイムの2人目の相手は、受付のときに私の後ろに並んでいた娘だった。 目の覚めるような美少女だ。 軽く頭を下げて挨拶し、プロフィールカードをお互い交換する。 名前の欄には「よしか」と平仮名で書かれている。 よしか・・・ かわいい名前だ。 こんなかわいい娘の個人情報が書かれた紙がいま目の前にある。 趣味とか仕事とか、いろいろな情報を書かれている。...
View Article混乱したままの前半戦
よしかさんが去ったあとも私はよしかさんのことで頭がいっぱいだった。 別の人の席に移っても遠くに見えるよしかさんばかりを目で追っていた。 よしかさんは俺と話すときとは違って笑顔で楽しそうに話をしていた。 悲しかった。 そして、みじめだった。 自分の不甲斐なさに涙が出そうになる。 もうここで舌を咬んで死んでしまいたい気分だ。 別の人たちとの会話も全然弾まなかった。 向こうも乗り気ではなかったし、...
View Article会場をウロウロするだけのフリータイム
フリータイム開始の合図とともに男性陣はいっせいに動き出した。 私は完全に出遅れてしまった。 よしかさんの席の前には早くもひとりの男性がすべり込んだ。 その男が挨拶するとよしかさんも笑顔を返していた。 まんざらでもない感じだ。 前半でふたりは意気投合していたのかもしれない。 年齢もよしかさんと近い感じだ。 私はとりあえず席を立ちどこへ向かうべきか辺りを見渡した。 前半戦はボロボロだった。...
View Article生き恥
結局私はフリータイム3回とも50歳代の女性と話をした。 いや、ほとんど会話は交わしていない。 そこしか空いている席がなかったので、 その人の前に3回とも座るしかなかっただけだ。 言葉なんてまったくといっていいほど交わしてはいない。 こうしてフリータイムは過ぎていった。 そのあとは最終投票だ。 私は、よしかさんの番号を書いた。 もしかしたら・・・ そんな淡いわずかな期待を込めて。...
View Articleはじめてのお見合いパーティーを終えて
翌日からまた私は何の変化もない、何の面白みもない生活に戻った。 起きたら仕事に向かい。 終業時間になったらまっすぐ家に帰る。 休日はゲームとかで時間をつぶし、 たまにAVを見ながらオナニーをする。 そんな毎日が戻ってきた。 しかし私はもう一度お見合いパーティーに行こうと考えていた。 はじめてお見合いパーティーに参加し、 ミジメな惨敗を味わって、もう二度とお見合いパーティーなんて、...
View Article2回目のお見合いパーティーはホワイトキーに決めた
2度目のパーティーに私が選んだのはホワイトキーだった。 またエクシオでもよかったのだが、前と同じ人が来ていたら恥ずかしいと思い、 業者を変えた。 あの生き恥を見られた人には絶対会いたくない。 ホワイトキーはエクシオに比べてずいぶん参加料金が安かった。 どうやらエクシオは他の所より料金設定が高いらしいことをこのとき私は知った。 初めてのお見合いパーティーの時はよく調べもせず決めてしまったが、...
View Articleユーモアのあるプロフィール
2回目のパーティーの日が来た。 外は今にも雨が降りだしそうな感じだった。 空は濃い灰色の雲に覆われていて縁起が悪い印象を与える。 今日のお見合いパーティーの行く末を暗示しているかのようだ。 「きっと上手くいく」 私は自分に言い聞かせた。 恐怖心のようなものがこみ上げてきてパーティーに行く気持ちを失わせようとするから。 でもここでやめてしまったら私は一生彼女などできないだろう。...
View Article女性の豹変
司会者の合図でお見合いパーティーはスタートをきった。 まずは目の前の相手に挨拶をして、 自分のプロフィールカードを渡す。 前回のエクシオのときと進行の手順は一緒だ。 すべてわかる。 やはり一度経験しているというのは大きい。 今日こそは落ち着いて行動できそうだ。 プロフィールカードを交換し合い、しばらくは相手のチェックだ。 30歳・看護師と書かれている。 お見合いパーティーには看護師が多い。...
View Articleかめはめ波の少女
私は完全に動揺していた。 さっきまで押し黙ってうつむいていた女性が 今では男と楽しそうに話している。 私とは何も話そうとしなかったのに。 これは屈辱だ。 露骨な差別で私は恥をかかされたのだ。 女が憎かった。 殴っていやりたい衝動が突き上げてくる。 私はけして暴力的な人間ではないし、これまで殴り合いの喧嘩とかもしたことがない。 でも生まれてはじめて人を殴りたいと思った。...
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